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次に不要になるもの

 物入れを整理していて、数千円出して使わなかったLANケーブルが出てきた。LANケーブルはほかにもある。使っていたけれど、無線LAN接続で不要になったものだ。
 今まで必要不可欠だったものが、ある日、ある時から「無用の長物になる」、ということがある。買い置きをしていたインクリボンが、機種買い替えでいらなくなったし、LEDの普及で電球や蛍光灯の買い置きが不要のものになった。これは、技術革新、明らかに「進歩」の結果なので、移行期には仕方のない現象と思うことにする。
 ところで、本はどうだろう?
 かつて私は、基礎教養として本を読みたいと思っていた。文学の源となった世界の神話、名作全集に収められているような歴史的な傑作。全部読みたい、知りたい。そして、それは可能なことだと思っていた。私の世界が小さかったからというだけではないだろう。
 インターネットで世界の情報を見渡すことができる現代のような全体を見渡すシステムがなかったので、なんとなく、個人の努力・勤勉さで世の中を知ることができるような気になっていたのだと思う。与えられた「名作全集」を読んでいれば、文学というものが分かり、世界に通じる基礎教養を身に着けることができると錯覚していたのだ。
 今、「名作全集」は、古さをいとわないなら、格安でてにいれることができる。1枚数百円で、過去のアカデミー賞受賞の映画を見ることもできる。
 さて、問題はここからだ。私たちは、学校教育で夏目漱石の「こころ」を学んだし、今の学生も名作として習っているだろう。しかし、果たして、それよりも読むべきものはないのか?描かれた世界は古いし、その考え方も現代に照らせば正しいとは言えない。
人生にまっすぐに向き合う姿には学ぶべきことがあるにしても、それが今の時代を生き抜く力になるとは思えない。

 かつては、大変貴重で有用なLANケーブルが今では無用の長物になったように、実は、文学もそうなっているものがあることを認め、取捨選択していくことは、必要だと思う。
 
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