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2014年7月20日―映画の魅力

 「映画で観る世界名作文学」「フランス映画名作選」「小津安二郎選集」「日本映画特選」「シェークスピア全集」などと銘打った、10枚組のDVDセットを買って観ている。10枚組で2000円前後だから格安だ。その分、画像は良くない。白黒で、いわゆる「雨が降っている」状態のところもある。けれども、古い状態で残っている物を、古い状態のまま観ていることは、ある意味正しいような気もする。デジタルリメイク版は、10倍~30倍くらいの値段になるが、やはりどこがで原作の味わいは消えると思う。
 シェークスピアの映画については前に書いた。時代考証で衣装や当時の風俗が研究されたであろう映画を見ることは、一面では、文字を追って原作を読むより、はるかに生き生きと作品を楽しむことが出来る。
 子どもの頃、本棚には、「人間の絆」「怒りの葡萄」「大地」「戦争と平和」「罪と罰」など世界名作文学全集というのがあった。題名だけでは悔しいので、中学生のころには、その本の文字を辿っていた。しかし、実はさっぱり理解できなかった。物珍しい事象が、断片的に頭に入り、それが「解けない謎」として残っていた。いったい、作者は何を言いたかったのか、理解できなかった。
 映画を観てはじめて「こういうストーリーだったのか」と腑に落ちたところがある。いや、もしかしたら、もう一度本を読めば、別の読み方があるかもしれないとも思う。しかし、「こういう読み方をする」こともあると、一つのヒントをもらったには違いない。初めて読んだ時から数十年経って、その間の経験が、さまざまな人間関係機微や、男女の関係についての記述の意味を理解させてくれるようにもなっている。
 もはや、あの大作をよみなおそうとも思わないけれど、若い頃溜めこんでいたさまざまな疑問が、映画によって解けていくのは、なかなか面白く、胸のすくことである。もちろん、フィルムが古くても、映画そのものが丁寧に作られていて、原作を読んでいない物、前知識がない作品も面白く、新鮮に味わえている。
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