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2014年6月17日-芸術と現実

 熊本市現代美術館で開催されているこみねゆらさんの展示会を見てきた。緻密で繊細な絵画や、人形が展示されている。人形は、小指の先ほどなのに、表情や衣装はきちんと制作されている。まさに、芸術なのだ。一方で、巨大な黄色いかぼちゃに黒い模様が施されたオブジェが入口に飾ってあったのが、 草間弥生さんの展示だった。こちらは、東京都の森美術館で以前見ていたので、今回は入場しなかった。大小の赤い水玉模様の部屋に入ったのを思い出すが、入口の階段から、その水玉で装飾されていて、草間ワールドが続いていくのが感じられた。
 巨大なものと、極小のもの。どちらにも驚かされ、<アートに触れた>という感じがする。しかし、ふと「どちらも普通の大きさだったらどうなるのだろう?」という考えが浮かび、立ち止まった。これほどのインパクトはなかっただろう。
 芸術は、脱日常の体験なのだ。中途半端では日常に紛れ込む。大きいなら、草間さんの展示のように「びっくりするほど大きい」。小さいなら、こみねゆらさんのように、驚くほど精細な作品が、芸術としての価値を持ってくるということに気付く。
 似たような大きさの人たちの中で、ほどほどに使いやすい大きさのものに囲まれて、無難な色彩に囲まれて、同じことを、同じように繰り返す生活。その大切さはわかっているけれど、時として飽き飽きする。ちょっとびっくりしたくなる。そういう時に、美術館でびっくりしたり、映画館でドキドキしたりすることで、随分リフレッシュできる。
 それと、そういうものをせっせと飽きもせず(?)作っている、自分たちとはちょっと違った感覚の人が、私たちに紛れ込みながら(?)まぎれもなく存在しているということの驚きが、閉塞した日常感覚を広げてくれるように思う。

 
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